初心の気持ちをずっと忘れないで
この春に運転免許を取得し、晴れてドライバーの仲間入りをしたみなさん。おめでとうございます。路上デビューはもう果たしましたか。ずいぶん昔の話ですが、私が運転免許を取って初めて国道を走ったときは、その交通量の多さにずいぶんビビッたものでした。のろのろ走って後ろのクルマにクラクションを鳴らされ、そのたびにちびりそうになったのをおぼえています。いま若葉マークを付け、おっかなびっくりでハンドルを握っているみなさん。大丈夫ですよ。きっとすぐに慣れますから。それまでは「なぁに、鳴らされたってかまうもんか!」くらいの気持ちで開き直ったほうがいいかもしれません。ところでみなさんは、かっこいい運転ってどんなイメージを持っていますか。たとえば助手席の後ろに腕を回しながらバックすること?切り返しなしの一発でバック駐車をキメること?クルマとクルマの間をジグザグにひゅんひゅん走り抜けること?スピードを落とさず「キキキキッ!」とカーブを曲がること?それ、全部違います。かっこいいドライバーとは交通ルールをきちんと守り、進路を譲り、割り込みするクルマにもやさしく、黄色信号で横断歩道を渡る人がいても、心に余裕を持って待ってあげられる人のことです。ですからみなさんも、運転免許を取ったばかりのいまの気持ちを忘れず、慎重に運転し、いつまでも無事故無違反をめざしてくださいね。
ハザードランプは使ってますか?
ところで路上では、自動車学校がなかなか教えてくれない暗黙のルールというのがあります。そのひとつがハザードランプの使い方です。赤い三角マークのついたスイッチを押すとチカチカ点滅するランプのことで、正式には「非常点滅表示灯」といいます。使うのは、故障でやむをえず路上駐車するときや、クルマがけん引されるとき、周りのドライバー(特に後続車)に、前方に危険が存在することを知らせるためです。ただし、ハザードランプにはほかの使い方もあります。たとえば、自分が渋滞最後尾であることを知らせて、後続車に追突されないようにするとき。また大型スーパーなどの駐車スペースで、後続車にバックする意志を伝えるためにハザードランプを点滅させることもあります。さらに進路を譲ってくれたクルマに、あいさつ代わりに「ありがとう」の意味を込めて、2~3回ハザードランプを点滅させることもあります。これらは本来の使い方とは違いますし、地域や状況によっても意味合いが違うことがありますが、覚えておいていつか使ってみるといいですよ。
パッシングの意味合いはわかりますか?
ハザードランプと同様、本来の意味とはちょっと別の使われ方をするのがパッシングです。パッシングとは上向きライトをチカチカ点滅させて、ほかのクルマに合図を送ることです。でも直進で何気なく走っているときに、対向車にいきなりパッシングされたらびっくりしますよね?それに後続車がパッシングしながら距離をぐいぐい縮めて来たらきっと怖いはず。それに信号待ちしているときに対向車がパッシングしてきたら、その意味がとっさにわからないこともあるでしょう。では実際にパッシングされたときに慌てないように、例を少しだけ紹介しましょう。
1.対向車が進路を譲ってくれるとき。交差点などでは「お先にどうぞ」という意味あいがあります。
2.あなたのヘッドライトがハイビームなのでまぶしいとき。その注意を促してくれます。
3.ヘッドライトのつけ忘れや、消し忘れを伝えたいとき。トンネルの出入り口付近で起こりがちです。
4.スピード違反などの取締りを教えてくれるとき。とくに郊外の道では助かります。
5.後続車が道を譲ってほしいときや、追い越しをかけるとき。あるいは遅いからあおられるときもあります。
およそ以上のことですが、ときにはトランクの閉め忘れや、助手席・後部座席の半ドア、ライトが片方切れていることを親切に教えてくれる場合もあります。それらを含む路上のルールをしっかりおぼえ、1日も早く大人の運転を身につけるようにしてくださいね。