フルサービスとセルフ、それぞれの魅力は?
給油から支払いまでをスタッフがしてくれる“フルサービス”のガソリンスタンド(GS)と、すべて自分で作業するセルフのGS。みなさんはいつも、どちらを利用しているでしょうか。フルサービスのほうは、給油以外に窓拭き、灰皿の清掃、ときにはエンジンオイルやウォッシャー液、バッテリー液の容量のほか、タイヤの空気圧までチェックしてくれるので、安心感があります。一方、セルフは単価設定が割安なのが魅力。自分の好みの量や金額を指定して給油できるので、「給料前でピンチだから1,000円分だけにしたい」とか、「今回は10リッターだけ入れればいいや」といったケチケチ作戦を気兼ねなく実行できるメリットがあります。また、マイカーに自分で手をかけることによって愛着が深まることから、さまざまな年代の人たちの支持を得ています。そのせいか最近はかなりセルフスタンドが浸透していて、店舗数も確実に増えているようです。でも中には「操作の仕方がよくわからない」とか、「自分で入れるのってなんだかちょっと不安……」という人もいるかもしれません。そこで今回は、セルフスタンドのじょうずな活用術をご紹介しましょう。
油種さえ気をつければ、給油は簡単。
さてセルフの給油方法ですが、やり方は意外に簡単です。まずGSに着いたら、車の給油口が給油機側にくるように停車してエンジンを停止。給油機の画面と音声ガイドに従って、支払い方法や燃料の種類、給油量などを指定します。次に給油を開始しますが、ここで大事なのが燃料の種類。みなさんは自分の車の油種がわかっていると思いますが、もし間違えるとエンジンに支障をきたしたり、大きな事故につながったりする可能性もあるので要注意。ちなみにバスやトラックなどに多いディーゼル車にガソリンを入れてしまうとか、逆に一般のレギュラーガソリン車にディーゼルエンジン用の軽油を入れると大変。走行中に白煙を噴いてエンジンが止まってしまったり、エンジンの噴射ポンプが破損したりすることもあります。ご存じだと思いますが、軽自動車だからといって軽油でいいわけではないんです。また、ハイオク指定のスポーツカーなどは高圧縮比エンジンなので、レギュラーガソリンを入れるとオクタン価不足でノッキングを起こし、パワーダウンや燃費悪化につながることもあります。くれぐれも間違えないように注意してくださいね。その後の作業はフルサービスのスタンドと同じ要領です。燃料キャップを外し、指定した油種のノズルを給油口の奥までしっかり差し込み、レバーを引いて給油開始。指定した給油量に達すると、自動的に「カチャ」という音がして給油がストップしますので、こぼれたりする心配はありません。
セルフでも、ちゃんと人が見守っています。
セルフ未体験者からは、「セルフスタンドはスタッフがいないから、何かあったら困るわ……」という声をよく聞きます。でもそれは誤解。確かに給油はお客様自身が行いますが、無人と思われがちなセルフスタンドにも必ずスタッフがいて、なにか困ったことやわからないことがあったときは、常駐スタッフが対応してくれます。それにお客様が給油する際は、スタッフがちゃんと安全確認をしてから給油のスタートボタンを押し、それで初めてガソリンが出る仕組み。だから、まだセットされてないうちにガソリンがいきなりあふれ出たりすることはありません。また、スタンドによってはガソリンの種類間違いを検知して、レバーを引いてもガソリンがすぐに出てこない機械を導入しているセルフもありますので、近くにあるかどうか調べてみてはどうでしょうか。
最後にいくつか注意点を挙げておきましょう。1つ目は、燃料キャップは必ず静電気除去シートに触れてから外すこと。2つ目は燃料キャップの閉め忘れや置き忘れをしないこと。3つ目は、GSはすべて火気厳禁なのでタバコの吸い殻を捨てるときや喫煙には十分注意すること。セルフもフルサービスも一長一短があって、どちらがどうとはいえませんが、自分のスタイルに合ったGSを選んで、快適なカーライフを楽しんでみてくださいね。