意外と長い、北海道の静電気期間
クルマに乗り込もうと取っ手にさわった瞬間、指先が「バチッ!」とか「ビリッ」としびれたことはないですか?あるいはクルマを降りるときにも、同じような現象が起きたとか……。それはどこかのイタズラ好きが仕掛けたトラップではありません。静電気の奴の仕業です。でも痛いやらビックリするやら、くやしいやらで、本当にイヤになっちゃいますね。この地球上にあるすべての物質はプラスとマイナスの電子を持っているのですが、それが摩擦などで配列が乱れて電子が偏ると、ほかのものに触ったときに一気に放電してしまうので、「バチッ、イテテテッ」となるのです。ですから運転中に体を動かすだけでも静電気は発生しますし、クルマの座席から身体や衣服が離れただけでも、静電気の奴はきっちり発生してしまうというわけ。
静電気が発生する主な原因は「乾燥」と「摩擦」なので、本来は空気が乾燥した冬に多いものです。それが北海道だと湿気が少なく、比較的空気が乾燥しているシーズンが長いので、かなり静電気が起こりやすい環境にあるといえます。そこで今回は、静電気を避けるための裏技や防止グッズなどのお話をしていきます。
静電気で注意しておきたいポイント
まず静電気がいかに微弱だろうと、電気であることに変わりはありません。なので、引火しやすい危険物には十分な注意が必要です。たとえばガソリンがそう。もし静電気がガソリンに触れたりしたら大変!最近は自分でガソリンを入れるセルフスタンドが多いですが、給油機に静電気防止シートを備えて対策しているところがほとんどです。ですから利用する際は必ずこれにタッチしてから、給油作業を行なうことを習慣づけましょう。
意外なことですが、クルマに乗るときに注意したいのが、静電気を帯びやすい服を選ばないことです。綿や絹、麻といった天然繊維は発生しにくい素材ですが、フリースのような合成繊維はかなりの確率で静電気が起こります。ですから合成繊維を着るときには、綿のTシャツや肌着などをうまく組み合わせるといいですね。また洗濯は静電気防止になりますし、そのときに柔軟剤を使用すればさらに効果が期待できます。同様に、靴についても天然素材のほうが静電気を帯びにくい傾向にあります。ただしスニーカーのように靴底がゴム製ものは、身体に蓄えた静電気は逃げてくれません。その場合はいったん靴底を水で濡らしておくと効果があります。
お金のかからない静電気対策は?
静電気の放電を100%なくせるわけではないですが、ちょっとしたやり方を覚えるだけで、あの不快な“バチッ”を減らす裏技があるのでご紹介します。
クルマから降りるとき:その(1)
ドアを開けて降りるときに、ドアの金属部分に触れる→金属に触れたままの格好で地面に足をつける→着地後に金属部分から手を離す。たったソレだけ?と思うかもしれませんが、この順番を守るだけで、静電気を劇的に減らすことができるんです。
クルマから降りるとき:その(2)
濡れたハンカチやウェットティッシュを使ってドアノブを触ること。これもソレだけです。なぜかというと、静電気は水分が増えると空気中に電子が放電する性質があるからです。
クルマに乗るとき:その(1)
ドアノブに触れる前に地面に軽くタッチしてから乗ること。こうしておけば、身体に帯電している静電気を一旦逃がすことができるので、「バチッ」ときません。
クルマに乗るとき:その(2)
いきなり素手でドアノブに触らず、キーでクルマのボディに一度触ってからロックを解除すると静電気を防止することができます。
市販の静電気防止グッズを活用してみる
結論からいうと、静電気から身を守る方法はたった2つだけです。ひとつは身体にたまった電気を逃がすこと。もうひとつは、できるだけ身体に電気をためこまないことです。それがわかっていても、世の中にはめんどくさがり屋さんだとか、クルマに乗り込むときの服装を気にするのはイヤだわという方もいることでしょう。そういう方のために、いくつかの静電気防止(除去)グッズがカーショップなどで売られています。たとえば静電気防止スプレー。これをクルマのシートとか衣服とかにサッと吹きかければ、かなり効果があるようです。また、キーに付けておくキーホルダー、ドアの内側に貼るシール式ボディアース、ブレスレッドなど様々な種類があります。使う人によって効果に差がでることもありますので、興味と関心のある方はいろいろと試して、快適なカーライフをお楽しみください。