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自転車に安全なルールは通用しない!?
突然ですが、あなたはクルマの運転中に自転車にぶつかりそうになったことはありませんか。あれは本当にヒヤッとするものです。信号が青になったから発進しようとしたら、いきなり自転車が猛スピードで横切ったとか、こちらに向かって通りを逆走してきた、あるいは自分の前を大きな荷物を積んだままヨタヨタ走っていた、左折するときに巻き込みそうになったなど、よく聞く話。それに最近は、ヘッドホンで音楽を聴きながら乗っている人、スマホをいじりながらとか電話をしながら乗っている人、傘を差しながら乗っている人もよく見かけます。あれ、ほんとに危ないなぁと思います。近頃はいろいろな年代の人たちが自転車を利用していますので、クルマの運転にはかなりの注意が必要です。ただし、人はクルマに乗っているときはドライバーの立場で見聞きしてモノを考えますが、いったんクルマを降りて自転車に乗れば、その立場でモノを考えがち。ですからあなたもクルマを運転するときは、つねに自転車の人がどんな行動をするかを想定して、いつでも危険を回避できるように心がけてくださいね。
悪質な違反にはペナルティと罰金が。
クルマ対自転車の事故がそれほど多くなかった頃は、自転車の交通違反は余程悪質ではない限り、警察側も取り締まりにくいのが実情でした。ところがルールやマナーを守らない自転車が後を絶たないことから、自転車事故は増える一方。それに違反も2人乗りをはじめ、前方不注意、わき見運転、信号無視、一方通行無視、交差点での不停止、飲酒運転、夜間の無灯火など、まるでクルマ並です。さらに、自転車は軽車両というカテゴリーに入り、車道を走るのが原則(歩道は例外)だという規則がなかなか認知されていませんでした。そこで2015年6月に道路交通法が改正され、自転車の交通ルールが大きく変わりました。それによると、自転車で危険なルール違反を犯すと罰金を科せられ、3年のうちに2回以上の違反行為をすれば、公安委員会が実施する「自転車運転者講習(有料)」の受講が義務化されました。これによって自転車のルール違反者が少しでも減り、事故の減少につながってくれることを願っています。
大切なのは自己防衛の心構え。
さて、交通ルールの違反や罰則がある程度事故を回避してくれるにしても、問題はその先にあります。もしクルマを運転するあなたが自転車と接触したとしたら、明らかに自転車側に原因があったとしても、自転車側の過失が100%認められることほぼありません。運が悪ければ、クルマを運転していた側にも前方不注意などの安全運転義務違反に問われます。それではおそらく納得できないでしょうが、自転車はルール的には交通弱者。ですから、クルマを運転する側が自転車の行動に細心の注意を払う必要があるのです。
ちなみに不測の事態を回避するには、いくつかポイントがあります。
1. 交差点付近ではスピードを落とす
2. 信号のない横断歩道では一旦停止または徐行する
3. 右左折の際に横断歩道の近くにいる自転車や、歩行者を見つけたらその人たちが横断するまで待つ
4. 横断歩道のない交差点付近でも徐行を徹底するなど、自己防衛の観点からも、つねに慎重な運転を心がけましょう。
万一、自転車と事故を起こしたときは?
いくら注意していても、事故はいつ起こるかわかりません。もし運悪く、自転車のほうからあなたのクルマにぶつかってきて事故になったとしても決して慌てないこと。パニックになって対応が遅れると、後々トラブルになりかねません。いちばん大事なのは、相手がケガをしているかどうかの確認です。もし大きなケガであれば救急車を呼んで病院に行くようにしましょう。ケガの確認や路肩への移動が済んだら、たいしたことがないと思っても必ず警察に一報を。また、保険会社への連絡も忘れずにしておきましょう。それとお互いの言い分が食い違うといろいろとめんどうですから、双方の責任の所在をはっきりさせること。さらに目撃者がいるかどうも大事なポイントです。また、その場での示談交渉は避けること。示談に応じてしまうとその内容が有効とみなされ、過失割合が圧倒的に不利になることがあるからです。それはともかく、あなたがクルマに乗っているときは自転車に、逆に自転車に乗っているときはクルマに注意することで、事故のない安全な社会をいっしょにつくりあげていきましょう。