動物と接触事故を起こしても、慌てたくないから。

クルマを運転中、事故に遭った動物を見かけることはありませんか。とくに都市部から離れた郊外や自然の多い場所には野生動物が多くいるので、遭遇率もグンとＵＰするものです。でも見かけるだけじゃなく、実際に自分が野生動物と衝突してしまったらどうしましょう。たとえこちらがどんなに注意していても、相手は動物。どこに潜んでいて、いつ飛び出してくるかわかりませんもの。自動車のライトを見て立ちすくむ動物もいれば、2頭、3頭と続けざまに現れる動物もいます。種類によって行動特性が異なるので、その対処の仕方がむずかしいのです。たとえば熊や鹿のように大きな動物だったら？ぶつかった衝撃でクルマが壊れちゃったら？あなたや同乗者がケガをしたら？そもそもその動物は保護するべき？警察には連絡しなくちゃダメ？など、わからないことだらけじゃないですか？でもそのときになって慌てたりしないよう、今回は野生動物と接触したときの適切な対処方法と、クルマや人への損害が発生した場の対策法についてお話しします。

野生動物を交通事故から守るために。

道路上で発生する野生動物の死亡事故は「ロードキル」と呼ばれます。これは、道路が建設されるなど動物の生息域が分断されることが主な原因。つまり、人間のほうが動物たちの生活領域に勝手に入り込んじゃったからなのですね。そう考えると、ちょっとかわいそう。NEXCO東日本の資料によれば、全国各地の高速道路上では圧倒的にタヌキが多いそうです。それが北海道では、やはりキツネやエゾシカの数がグンと増えるといいます。こんなところにも地域性が出るのですね。ほかにもイノシシや牛、ウサギ、猿、犬、猫といった哺乳類から、カラス・鳩・キジなどの鳥類まで、種類もさまざま。国としてもこれら野生動物とクルマの衝突事故を減らすため、高速道路では動物侵入の防止柵を設置したり、道路の下や上に動物が通行できる専用の“けもの道”を確保したりして、交通安全の確保と野生動物保護の両面から、さまざまな対策が研究され実施されているところです。

状況次第で大きく変わる野生動物との接触。

次に、あなたが運悪く野生動物と接触した場合についてです。まだ生きているなら素手で動物に触らないよう注意しながら、タオルやダンボールなどで保護し、動物病院や保護施設に運びます。暴れる場合や、大型の動物であれば動物保護施設や動物病院などに連絡を入れて指示をあおぎましょう。

また、野生動物が死亡した場合も素手で触れないようにして、できるだけ交通の妨げにならないような路肩に動物を移動させます。高速道路などでは道路管理者、一般道では市役所や町役場、または警察へ連絡すること。警察に連絡した場合は物損事故として扱われるため、免許点数の減点や反則金といった法的な罰則は適用されませんから、その点は安心ですね。

野生動物との接触事故では、動物にケガをさせるだけでなく、とくに大型の動物であればマイカーに損害が出る可能性があります。また、飛び出してきた動物を避けようとしてハンドルを切り、縁石に乗り上げるとかガードレールにぶつけてしまうことがあるかもしれません。野生動物との衝突事故でマイカーが損傷した場合は単独事故扱いとなりますが、自賠責保険では物損は補償対象外なので、車両の修理には任意保険の車両保険を使うことになります。またドライバーや同乗者が負傷した場合や、対向車や歩行者に被害を発生させた場合も任意保険で補償されます。ただし、任意保険を使うには事故証明が必要ですから、警察には必ず連絡を取るようにしましょう。

冬の北海道ではとくに野生動物に気をつけて。

道路に野生動物が比較的出てきやすいエリアには、ドライバーに注意を促す“動物注意”の「警戒標識」が立てられています。黄色地に黒枠の付いたひし形の標識で、その中に動物のイラストが描かれているので、見かけたことがあるでしょう。とくに北海道の冬道で野生動物と遭遇したら、それを避けるために急ハンドルや急ブレーキを使うのは危険です。雪山に突っ込んでしまうことや、路外に転落することもあり得ます。どこかを走っているときにこの標識を見たらスピードを控えめにして、動物が出てくるかもしれないという気持ちを忘れずに走行しましょう。

それと最後に大事なことですが、もし野生動物と衝突しクルマが傷ついちゃったとか凹んだりした場合は、ぜひ当社までご連絡ください。きれいに直してくれるかもしれないという気持ちを忘れずにお越しいただけたらうれしいです。笑