駐車違反の経験、あなたはありますか?
日本には、クルマに関する違反が数え切れないほどあります。なかでも、多くの人が経験しているのが駐車違反ではないでしょうか。自分も何度かやらかしちゃったことがありますが、アレはじつに精神衛生上よろしくない。「ほんのちょっとの時間だからいいや」と、路上に停めてしまうとか、「駐車場がいっぱいだった」「小銭がなかった」「すごく急いでいた」など、もっともらしい理由を並べたとしても、そういうときに限って警察官や駐車監視員は見ているものです。ほら、建物の陰とか電信柱の後ろとかで。わずか10~15分くらいの駐車で違反ステッカーが貼られていたとしたら、ほんとうにムカつきます。違反ステッカーを強く握りしめながら、自分が悪いことなどすっかり忘れて、今日はアンラッキーデーだったと嘆くことでしょう。でも、それはまだいいほうです。駐車違反でいきなりレッカー移動されちゃったら、オーマイガッ!駐禁の点数と反則金(罰金)のほかにレッカー代、さらにクルマを一時預かりしている駐車料金を含めると2万円近くかかることも。そうなったとしたら、警察官や駐車監視員の勤勉さと世の中の厳しさに、脱臼するほど肩を落とすに違いありません。
駐車違反には2つの種類がある?
ところで、一般に駐車違反といわれるものに2種類あるのをご存じでしょうか。ひとつは駐停車違反で、もうひとつが放置駐車違反です。意外と知らない人が多いとか。でもじつは自分もクルマに乗って何十年にもなるのに知りませんでした。反省、反省。ちなみ駐停車違反とは、運転者がすぐにクルマを動かすことのできる駐車のことだとか。違反点数と反則金については、クルマを停めた場所によって少し異なります。駐車禁止場所であれば点数1点、反則金は普通車10,000円、二輪車6,000円、大型車12,000円です。ただしこれが駐停車禁止場所になると点数2点、反則金は普通車12,000円、二輪車7,000円、大型車15,000円とアップするので要注意。なんだかシビアですね。
一方、すぐに運転して動かせない放置駐車違反であれば、もっとシビア。駐車禁止場所に放置していたら点数2点、反則金は普通車15,000円、二輪車9,000円、大型車21,000円。さらに駐停車禁止場所に放置していたとしたら点数3点、反則金は普通車18,000円、二輪車10,000円、大型車25,000円とグンと高くなってしまいます。免許点数が少なくて心配な人や、反則金を払うのなんてイヤ!という人は、ちょっとの駐停車でもめんどうくさがらずに、駐車場を利用するようにしましょう。
警察に出頭しなければ、点数は引かれない!?
さて、駐車違反をすると反則金と点数を引かれる(正式には加点方式)のが一般的です。基本的には駐車違反の黄色いステッカーに書かれている最寄りの交番や警察署に出頭して、反則金を納めた上で、違反点数も引かれるのが通常の流れです。反則金については当然のように支払い義務があるものの、違反点数については引かれない方法があるんです。え、どういうこと?と思うかもしれませんが、これは2006年の道路交通法改正によってできた、いわば法の抜け道ともいえるもの。
以前の道交法では、車を運転していた人の責任(運転者責任)だけが問われていました。でも中には、出頭しないで違反の点数や罰金から逃れる悪質なドライバーが多かったために、出頭しない運転者に代わって、車の持ち主に責任を取ってもらう(所有者責任)ように変わったのです。現行法では、駐車禁止の車両を見つけたとしても運転者がまだ特定できないため、とりあえず違反を知らせる黄色いステッカーをクルマに貼り付けているのです。ですから駐車違反をしても警察に出頭しなければ、所有者の放置違反という判断をされるので、違反点数も引かれないというわけです。そもそも警察への出頭はあくまでも任意なので、強制力はないんですね。ちなみに出頭しないで数日経つと「放置違反金」の納付書が届くので、それを期限内に納めれば終了です。ただし、駐禁はやはりしてはいけない違反行為のひとつ。まわりに迷惑をかけるような路上駐車はくれぐれもしないように心がけてくださいね。