忘新年会、楽しんでますか?
忘年会や新年会など、年末年始はとくにお酒を飲む機会が増えるシーズン。繁華街では連日、どこからこんなに人が集まってくるのかしら?と不思議に思うほど、酔った人たちであふれます。みなさんの中にも、お好きな人はきっと多いでしょう。親しい人と話に花を咲かせて鍋をつつくとか、懐かしい人と旧交を温めながら旬の味覚に舌鼓を打つのは、幸せなひとときに違いありません。
でもちょっと待って!まさか飲んだ帰りにクルマを運転しようなんて考えている人はいませんよね。自分ではいくら「大丈夫っ!」と思っていても、目がうつろだったり呂律がまわらなかったり、ちゃんとまっすぐ歩けないようでは、運転など言語道断。以ての外(もってのほか)です。飲酒運転は重大事故に直結する悪質な行為。今回はそのあたりに、じっくりスポットを充てていきましょう。
アルコールが脳に与える悪影響
「自分はお酒に強いから全然平気」とか「すぐそこまでの距離だから、いいっしょ」、あるいは「ちょっとしか飲んでないし……」なんて簡単に考えて飲酒運転をすると、超危険!お酒は強い弱いに関係なく、少量でもアルコールが脳に悪影響を与え、安全に対する注意力や正常な判断力を鈍らせてしまうのです。ある研究機関によれば、飲酒は次のような影響を及ぼすとか。
① 正常時に比べて動体視力が鈍くなり、視野も狭くなる。
② 判断力が低下して、乱暴な運転やスピードに対する感覚が鈍くなる。
③ 意識がはっきりせず、ハンドルやブレーキの操作が遅れる。
④ 平衡感覚が鈍るので、自然と蛇行運転になってしまう。
といった傾向にあるそうです。また気が大きくなるとか、猛烈な眠気、頭痛やむかつきといった体調不良に襲われるなど、その悪影響ははかりしれません。
ハンパないです!その行政処分と刑事罰
続いて、みなさんが一番関心をお持ちの飲酒運転の行政処分と刑事罰についてふれていきましょう。飲酒運転はまず、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類に分けられます。前者は「アルコールの影響によってクルマの正常な運転ができない状態」を指します。もし逮捕されれば基礎点数35点、これは免許取り消し+欠格期間(あらたに免許を取りに行くことすら認められない期間のこと)3年という厳しい処分。さらに5年以下の懲役/100万円以下の罰金。なんと100万円ですよ!贅沢な海外旅行とか、ほしかった大型家電やしゃれた家具なんかもバンバン買えちゃう金額です。ああ、もったいない。
もうひとつの「酒気帯び運転」は「吸気中のアルコール濃度が1リットル当たり0.15~0.25mg以下と、比較的少なければ.基礎点数は13点、90日間の免許停止処分。吸気中のアルコール濃度が1リットル当たり0.25mg以上であれば基礎点数は25点。免許取り消し+欠格期間2年。両方とも3年以下の懲役/50万円以下の罰金が科せられます。行政処分+罰金のダブルパンチ。しかもそれだけではありません。人を轢いて死亡、ケガをさせたとか、電柱や信号、建物などの器物損壊には莫大な費用がかかります。それがわかっていたら、この世から飲酒運転なんかなくなりそうな気がするのですが……。
周囲の人も飲酒運転撲滅に協力を
過去にも飲酒運転が原因で起こった事故はたくさんありました。それが2006年、福岡市職員(当時)が飲酒運転で車に追突し、幼児3人を死亡させるという悲惨な事故が大きな社会問題となり、これをきっかけに翌2007年に道交法が改正され、飲酒運転根絶に向けた厳罰化が施行されるとともに、行政処分も強化されたのです。お酒を飲んでクルマを運転する本人はもちろん、クルマを提供した人、あるいはお酒を飲んでいるとわかっていながら同乗した人、クルマで来ているとわかっていながらお酒を提供した人にも、運転者に準ずる重い罰則が与えられるようになりました。飲酒運転はいうまでもなく、極めて悪質・危険な犯罪。もし飲酒運転で事故を起こせば、新聞やテレビで実名報道される場合があります。そうなると会社にも知られて解雇になることだって十分に考えられます。そのあたりもちゃんと理解し、国民一人ひとりが「「飲酒運転を絶対にしない、させない」という強い意志を持って行動することが大切です。そういえば、今年も酒気帯びで人を怪我させて芸能界を引退したタレントさんもいましたっけ。みなさんもくれぐれも注意してくださいね!
<参考資料>警視庁、政府広報オンライン、デジタル朝日新聞ほか